こんにちは、松原です。
寒くなってきましたね。
風邪や胃腸炎などの方が、少しずつ増えてきたように思います。
季節の変わり目なので、少し注意が必要ですね。
さて、本日はちょっと珍しい病気の話をしようと思います。
便が柔らかい、いつも下痢をする、という症状がある方の、ひとつの参考になれば幸いです。
胃腸炎などの病気にかかると、高い確率で下痢をすることがありますが、1〜2週間くらいで便通は正常に戻ることが多いです。
一方下痢が一ヶ月以上しつこく続く場合は、慢性下痢という区分に分けられるため詳しく調べる必要があり、検査の代表格は大腸カメラになると思います。
原因は過敏性胃腸症など、体質などによることも多いのですが、中には飲んでいる薬が原因で下痢が続いてしまうことがあります。
聞きなれない病気かもしれませんが、collagenous colitisという病気です。
平たく言うと、腸の粘膜にコラーゲンの膜ができてしまう、というイメージです。下痢以外の症状に乏しく、原因がはっきりしていないものの、胃酸を抑える薬や、痛み止めの薬などがきっかけになることが多いです。
この病気を診断するためには、粘膜の組織を調べなければなりません。
大腸カメラで見える粘膜は、正常な方とほとんど変わりないためです。
大腸カメラをしなければいけない…という悲しい事実には、少し目を瞑って下さい。
悩んでいる症状の原因を調べるために、勇気を出して検査を受けても、大腸カメラだけでは診断がつかないとなると…とても悲しいですよね。
このように、ひとつの症状にも様々な原因があります。
珍しい病気、まだわかっていない病気も、今後医療の進歩で解明されていくと思います。
医療に関わる以上、生涯勉強であることを忘れずに、スタッフ一同日々精進していこうと思います。
実は昨年、この病気で講演をさせていただきました。最後にあざとくアピールしておきます。