こんにちは、松原です。
だいぶ暑くなってきましたね。
少しずつ生活が戻ってきて、緊急事態宣言中少なくなっていた内視鏡検査も、ご希望される方のお問い合わせが増えてきています。
ちなみに、当院の本年上半期の内視鏡件数は、胃カメラ・大腸カメラを合わせて178件でした。
まだまだ枠は十分ありますので、検査までの日取りでお待たせすることは、ほとんどないと思います(当日飛び込みの検査は、お時間を頂くことが少しずつ出てきていますので、予めご連絡頂ければ幸いです)。
本日は、当院の内視鏡検査に対する姿勢の一つとして、JED projectへの参加を紹介したいと思います。
JED(Japan Endoscopy Database) projectは、日本消化器内視鏡学会が主導しています。本邦における消化器内視鏡領域の大規模データベース構築を通し、精度の高いデータを集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目的としています。
平たく言うと、各施設のデータを匿名化の上、必要な情報を全国から集積し、日本の内視鏡医療の標準化に貢献する、という感じでしょうか。
数年前から開始され、学会の専門医育成に必要な条件となり、専門医指導施設などの大きな病院の参加が進んでいます。
一方で、当院のような小さなクリニックでは、参加する意義を掴みにくいこともあり、参加施設は少ないと感じています。
当院は開院当初からJED projectに参加する意向を持っていましたが、ようやくクリニックの診療にも慣れ、この度正式に参加させて頂きました。
JEDに参加すると言うことは、検査をするだけではなく、データベースを作る作業が増えることになります。匿名化したデータを提出する必要もあります(個人情報は完全に保護されます)。
正直なところ、指導施設でもない当院が参加するメリットは少なく、作業が一つ増えてしまうというのが実情です。
しかし、自分達が先輩や患者さんから学び培ってきた技術は、広い意味で社会に還元すべきだと思っています。勤務医時代に学会活動も大切に取り組んできた手前、内視鏡検査を行う以上、医療の標準化を目指すための学術に参加し続けることに意義を感じています。
いつも心がけていることですが、内視鏡が辛い検査なのは重々承知していますので、少しでも楽に検査を受けてもらいたいと思っています。
一方で、エビデンスという科学的根拠から外れるつもりはなく、当院が真っ当に医療を提供する基準の必要性を強く感じており、JED projectに参加することも、その一つとして取り組んでいきたいと思っています。
追記になりますが、個人情報など診療内容が特定される事はありませんし、データの利用に同意されない場合はお申し出下さい。
データ提出を希望されない方であっても、検査を受けられないという事はありませんので、どうぞご安心下さい。