みなさま、こんにちは。

ゆう内科消化器クリニックの松原です。

 

工事も中間を迎えており、開院の準備は着々と進んでおります。

 

本日は、当院の特徴である内視鏡検査について、少し真面目なお話しをします。

検査内容など、本格的なお話は後々のこととしますが、私がどのような気持ちで内視鏡検査に取り組んでいるか、小話をまじえて続けていきます。

 

胃カメラや大腸カメラというと、「つらい、苦しい、気分が滅入る…」という感想を耳にします。

実のところ、自分も胃カメラを飲むのが得意ではありません。

というか完全に苦手です。

 

医師になって一年目の春、度胸だけが先行して、先輩医師の処女作を頂いたことがあります。

その時の状況は想像にお任せしますが、自分は嘔吐反射が非常に強いため、周りに申し訳ないくらいの惨状となりました。

「人にしてほしくないことは、人にしてはいけない。」

という賢者の言葉とおり、若かりし自分は一年間内視鏡室から遠ざかる程でした。

 

その後何の因果か、10年以上内視鏡を握っているわけですが、今でも検査中は患者さんの苦しい表情を辛く感じます。提供する検査の質を高めることは当然として、受ける方の感情に配慮することも、大切だと思うからです。

 

1mmの癌でも見つけられることは、確かに価値のあることです。

ですが、一度受けた検査が原因で、「二度と受けたくない」と思われてしまうことは、内視鏡医としてはなるべくないようにしたいと思っています。

胃カメラでピロリ菌を指摘された方ならご存じかと思いますが、病状によっては、検査後に「また一年後受けてください。」と言われます。

この検査は、経過を追うことが大切な検査でもあります。

受けたくないがゆえに放置され、数年後に進行癌となっては困るのです。

 

確かに我々医療者は、楽な検査を提供することを心がけてはいます。

しかし、こう言ってしまうとどうなのかと思いますが、

「全く苦しくないですよ」「みなさん、眠っているうちに終わりますよ」

と、言い切ることはできません。

 

人間は機械ではないので、必ず個人差はあります。

検査が苦しくなる要因は、医師、受ける患者さんの体質、その時の体調、お互いの相性…、おそらく挙げればきりがないでしょう。完璧ではないのです。

 

その上で、あくまで自分が目指す検査は、

「これなら来年も受けてもいい」

と思ってもらえることだと感じています。

 

これは、自分一人の力ではできません。

共に働くスタッフの力も必要です(当院は、よりお気持ちに沿えるよう、経験ある内視鏡技師の資格者も採用します)。

そして、何より皆さんから得られる信頼感や、検査や病気へのご理解も必要です。

そのためには、当院全体の努力が試されるのだと思っています。

 

 

今日は「熱盛」な話になってしまいました。

お恥ずかしい限りですが、今後はこのように、当院で行う診療にまつわることも、更新していきます。

温かい目でご拝読頂ければ幸いです。