こんにちは、松原です。

今年の夏は、何となく控えめな天気が続いていますが、暑いは暑いです。それでも昨年ほどの暑さにはならないのかもと、今のところ高を括っているのですが‥、果たしてどうなるのでしょうか。

さて先日お伝えした通り、今月は当院で初めて応援の医師が入りました。
私の旧知の先生方であり、個人的には昔の仲間が応援に来てくれた事が大変嬉しかったです。また、実際に内視鏡を受けた患者さんからも好評をいただけた事が何よりでした。
(当院で検査経験のある方にも、とても良い笑顔で『楽でした』と言われ、応援医の技術に少し嫉妬してしまうくらいでした‥。もちろん、嬉しい事です!)

一人医師の立場で三年近く診療を続けて、同僚がいると言う事は大変ありがたい事だったのだと痛感していました。私自身は、きっと仲間がいてくれた事で、修練を耐える事ができ、楽しく仕事が出来てきたタイプだったのでしょう。その本質は変えられるものではありません。
当院のあり方と舵取りは、地域の事を考えながら、持続可能な運営を私が決めて行かなければなりませんが、今月は良い一歩になったと思います。
という事で、当面は月2回の土曜日が内視鏡応援日となります。8月と9月は第一、第三土曜日です。私も外来に専念できるため、飛び込みで来られる方が増えても、今までよりはお待たせせずに、診療が出来る手応えを感じています。まさに好循環です!

2年を超えたコロナ窩も、世界的に見れば終焉が近づきつつあります。日本では第七波と言われて発熱外来も酷い有様ですが、私の願うあり方は当初から変わらず、『普通であってほしい』という事です。早く元に戻って欲しいです。
現状、検査をすれば高い確率で二類感染症に罹ります。しかし、症状は多くの人にとって風邪と見分けがつかない状況です。少なくとも胃腸症状では抗原検査の陽性者はほとんど出ていません。風邪と見分けがつかないので、ほとんどの内科で診療出来ると思います。
当初から変わらず大切な事は、多くの入口があり、重傷者を助ける方法論が、かつてのインフルエンザの時期と同じようにあれば良いだけです。
二類の区分は、今はもう社会の足枷になっていると感じます。感染拡大期の発熱外来や、院内感染などで医療機関がパンクする事は、現場に冷静な考え方が戻れば、自然と無くなる事だと思うのです。
これだけ同じ事を繰り返しているのですから、メディア等に感情や行動を任せきりにせず、社会や個人が良い意味で学習し、自立する事を願っています。

振り返ってみると、コロナ窩で痛烈に突きつけられた題目は、自らが調べ、考え、意思決定する事であったと思います。その真逆は他人の判断や集団心理、同調圧力に身を任せ、周りも巻き込む事です。
今後同様のパニックが起きるでしょうから、本質的には同じ事が求められ続けると思います。この2年を学びとするのであれば、一方的な発信を盲信せず、自ら調べ、考え、落ち着いて判断する事が大切だと思います。その上で、個々人が尊重し合い、折り合いをつけるべきでしょう。

私達医療業界も、エビデンスというものの立ち位置を、今一度問い直してみる必要があります。エビデンスは一つの大切な指標ですが、臨床の全てではありません。私の師の一人で、いわゆる『神の手』の先生が、EBMとはexperience-based medicineである(本来はevidence-based medicineです)と、若かりし自分に強烈に示してくれたように、臨床医の多くは、自らの経験で培った技術を社会に還元しています。医師個人が患者個人に提供できる技術は、エビデンスを超えたところにあるものだと思います。医療のエビデンスが、社会すら止めてしまった事を、冷静に見直すことはできないものでしょうか。

雑談が過ぎましたが、クリニックもいよいよ三年が過ぎようとしています。私自身も、経営者として感情の節目を一つ超えたので、より冷静に物事を見定め、クリニックを地域の財産に出来るよう、育てていきたいと思います。私自身も、ブラッシュアップしなければなりません。
今でも、まずはそこからです。