こんにちは、松原です。

新年も10日ほど過ぎ、正月気分も抜けて来た頃と思います。

 

さて、本日は当院で導入するヘルスケアアプリの紹介をさせていただきます。

 

現在、当院の中にこのようなポスターを張っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このアプリは、簡単に言うと以下のように使用します。

 

①スマホでアプリをダウンロード(無料)

②当院定期通院中の方であれば、ご希望に応じてQRコードをお渡し

③アプリでQRを読み取る

 

アプリでは、以下の情報を持ち運べます。

・診療要約(病名、既往歴、検査を受けた日、主な受診日の内容)

・血液検査 ・薬の内容 ・札幌市特定検診結果

(今後は、ご自宅で測る血圧の値などを入力する機能も、追加される予定とのことです)

 

新しい取り組みになりますが、このアプリにどのようなメリットがあり、私がどのような気持ちで導入するかを以下に述べようと思います。

当然暑苦しい内容も含みますので、胸焼けに注意してお読みください。温かい気持ちで読むことも、お忘れなく…。

 

定期通院の方がこのアプリを利用していただくことで、

「自分が何の病気で通院しているのか」

「自分がいつ検査をうけ、その結果はどのようであったか」

という情報を、当院と共有することができます。

特に生活習慣病は、定期通院が大切になります。食生活や運動など、日々のモチベーションも必要です。

同じ情報を共有して診療を継続することで、より大きな治療効果が得られると思っています。

 

また、このアプリは緊急時のお守りにもなると思っています。

 

これは私が救急病院で勤めていた経験からです。

私が当直医をしていたある晩、急病で動けず、話せなくなった方が搬送されて来たことがあります。

その際研修医の先生から、こう言われました。

「この方ですが、薬の内容まではわかるのですが、ご家族に聞いてもどのような治療を受けていたかわかりません。かかりつけのクリニックに電話をしても繋がりませんし…。」

 

夜中の2時でした。

救急病院以外では、診療しているクリニックの方が珍しい時間帯です。

幸い、その方は夜間のうちに診断がつき、初期治療の効果もあり朝には動くことも話すこともできるようになっていました。

翌朝かかりつけのクリニックへお電話して事情を説明したところ、すぐに丁寧な情報提供をしていただきました。

 

勤務医だった当時の私にとっては一夜の悩み事でしたが、自分でクリニックを開院すると決めた時から、解決したい大切な課題になりました。

もちろん当院がいつでも対応できれば良いのですが、医師一人体制で診療しているクリニックでは対応しきれないのが現実です。

また日中であっても検査などで手を離せない場合、救急病院からの急な問い合わせに満足にお答えできない時があります。

当院に通院してくださる方にとって、そのような時に少しでも安心感を持ってもらいたい。

その工夫のひとつが、ヘルスケアアプリ「candy」です。

診療情報の提供がスマホを見てもらうことで可能になれば、少しでも急ぐ時の一助になると思っています。

自分の未熟さや不足分を完全にカバーできるものではありませんが、当院に定期通院される方でご希望がある方には、勧めていきたいと思います。

 

まだまだアプリの改善余地も残されているようなので、当初は「QRコードを読みとりにくい」などのご不満もあると思いますが、ご提供いただく電子カルテ会社の協力も得られており、運用含めて日々進歩させていく所存です。

 

長くなりましたが、定期通院されている方、これから通院を考えていただく方は、ご興味があればいつでもお申し出ください。