こんにちは、松原です。

本日はいかにも眉唾な話を、あざとくすることになります。

当院はあくまでほぼ保険診療の範囲で診療しており、あやしい商売ではないことは弁明しておきます。

 

当院では、結構漢方薬を処方します。

私自身、まだまだ勉強中なので手数のカードは多くないのですが…。

 

当院で処方されるベスト3の漢方は、おそらく以下になるでしょう。

1位 葛根湯

2位 補中益気湯

3位 六君子湯

 

1位は言わずと知れた葛根湯です。

風邪のひき始めに、自分もよく飲みます。

 

本日取り上げる内容は2位の補中益気湯についてです。

これは風邪の終わり頃、まだ何となく症状が残っていたり、イマイチ改善しない時に、滋養強壮の意味合いも兼ねて処方します。

補中益気湯の作用としては、元気がない、疲れやすいと言った症状を改善させる作用があり、高齢者の体力補強にも効果があるとされています。

「コロナウイルスに対する免疫アップに効果がある!」、という根拠もありませんし、眉唾物のよもやま話を信じる必要はありません。

当院では風邪症状が長引いている方に、処方する方針としています。

 

大切なことですが、免疫力保持に一番効果があるのは、食事と適度な運動と休息です。疲れを明日に持ち越さないよう、無理をしないで生活しましょう。

手洗いは予防に効果的です。

考えすぎによるストレスも無視できませんので、不安を煽るテレビなどの媒体を見るのも、ほどほどが良いかもしれません。

そして、万一風邪を引いてしまった時は慎重に経過をみて、適切な行動を心がけてください。

ご自分の体調の悪化があれば、我慢しすぎない事も大切です。周りの人を守るために、咳エチケットでマスクをしましょう。マスクは「相手にうつさないため」にあるものだと思います。

 

現在当院の診療体制は、午前午後を二分して「定期通院や検査希望、腹部症状など」の方と「風邪などの熱症状」の方の動線を分けております。

定期通院や他の症状があっても、病院に行くのが怖いという気持ちは痛いほど理解できます。

一方で熱の原因には、コロナ以外にも当然多くの病気があります。相談センターなどにご相談頂いた上でも、不安や症状の辛さがあるのは容易に想像できることです。

このような体制を取る背景としては、なるべく患者さんの不安を払拭し、医療機関への動線を断たないよう勤めることが、地域のクリニックとして必要だと感じるからです。

 

当院にできる範囲の対策で不安な点もありましたが、幸いなことに受診される方がよく理解して下さり、冷静に行動して頂いています。

テレビを見ていると阿鼻叫喚で不安を抱かせる内容ばかりですが、実際にお越しになる方は困ってはいるものの、お互い様の気持ちを胸に、大変協力的で胸が熱くなります。

 

見えないものは怖いものです。

報道で見られるような他人に対する攻撃や、自己保身というのは、恐怖や猜疑心から始まるものです。

恐怖や猜疑心で固められた心では、生活は楽しくなりません。

自分の本来持つ力や優しさも発揮できません。

 

現状を受け止め、自分を見直し、自分に何ができるかを考えて、家族や友人単位から広がる社会に対して協調性を発揮する。

今私たちは、当たり前の生活を送るための勇気を、試されているように思います。