こんにちは、松原です。

新年度が始まりました。

私も今月のレセプト(診療報酬の請求業務)が終わり、一息ついて春を実感しています。

 

さて本日は、血便についてお話ししてみます。

 

当院は内視鏡を行う消化器内科であるため、一定頻度「血便が出た」事でクリニックを受診される方がおられます。

血便はその名の通り、排便時に出血する事ですが、その原因は多岐に渡ります。

血便の原因についてざっくり書きますが、出血した後おしりが痒い、痛いといった症状が付随する場合は、痔からの出血が多い印象です。一方、習慣的に出血するといった場合は、炎症性腸疾患やポリープ、癌なども考慮する必要があります。痛みもなく発症し、1日に何回も多量に血便が出るときは、憩室出血など緊急性がある疾患を疑います。

 

当院で比較的多いのは、突然の強い腹痛と下痢、その後血便が続く症状で受診される方です。エピソードから虚血性腸炎や感染性腸炎を疑いますが、今回は虚血性腸炎について話を進めてみます。

虚血性腸炎は何らかのきっかけで、腸に向かう血管から血液の供給が滞り、腸粘膜がただれてしまうのが成因とされます。多くは女性に発症し、便秘などが原因と言われています。

病院勤務の際に一定頻度で診療を行なってきましたが、実はクリニックでこれだけお目にかかるとは思っておらず、昨年の緊急事態宣言時には1ヶ月に6名も来院されたのは驚きました。コロナ禍でかかるストレスも一因なのでしょうか…。

虚血性腸炎を疑う場合、当院では内視鏡検査で診断しています。重症度の差はありますが、概ね外来通院で改善される方がほとんどです。

 

春の新生活は希望に溢れ、楽しいことも多いのですが、一方慣れない環境で生活習慣の乱れやストレスを抱えてしまうこともあると思います。

無理をしすぎず、時代にあった生活様式で、気持ちのいい季節を満喫したいですね。